あの日のカロリー

日々の食事の記録、雑感に次ぐ雑感

映画「カメラを止めるな!」感想

あの話題になりまくっていた映画「カメラを止めるな!」が、先日テレビで放送されていたので見てみました。
で、私も「うわあああ、おもしろい!」と思ったのですが、それ以上に、「スカッとした!」という爽快感がありました。
この「スカッと」の正体について、もう少し考えたいと思い、ブログに書くことにしました。

以下、ネタバレあります。


「スカっと」した気分にさせられた、大きな要因のひとつは、やはり「伏線の回収」だと思います。
この映画には、たくさんの伏線が張られていて、その全てが後半で回収されていくのです。ハプニングが起きるたびに、登場人物のアドレナリンがドバドバ出るのと同時に、視聴者のアドレナリンもドバドバ出る、そんななかで、伏線が見事に綺麗に回収されていくので、それはもう気持ちいいのです。

で、「伏線が回収されること」が、なぜこんなに気持ちがいいんだろうって考えたら、たぶん、現実というのはことごとく伏線が回収されない世界だからなんじゃないかな、と思いました。

現実では、生意気なアイドルは生意気なままで、勘違い野郎の俳優は勘違い野郎のままで、元女優の妻は女優に戻ることはなく、弱気な監督は弱気なまま、ディレクターや役者の言いなりで、娘との関係も修復できない。みんな普段はそれを「仕方がないこと」として受け入れて生活しているけれど、フラストレーションは溜まりに溜まっていた、そんななかで、この映画で伏線がことごとく回収されていくのを目にしたのですから、それはそれは爽快だったのです。そして、どの伏線もわかりやすかったこと、回収の仕方が泥臭いけど最高の方法だったことが、多くの人の心をつかまえたのだと思いました。

もうひとつ、私が「伏線の回収」と同じくらい「スカッと」したのは、監督の娘が仕切り出すところです。
これもなんで「スカッと」するのか考えたんですが、やはりこれも現実ではなかなか起こらないことだからなんじゃないかと思いました。
現実って、才能のかけらもないバカとか勘違い野郎が、大きい声を出して自分の思い通りにしようとするじゃないですか。この映画も途中まではそうなんですよね。生意気なアイドルや勘違い俳優やアホなディレクターの声が大きい世界なんですよ。それがどうしようもないハプニングが起きて、みんなが大混乱で判断能力を失っていくなかで、天才の若手が最高の判断を下し、テキパキというかもはやバキバキ指示を出しまくって作品を創りあげてしまう。そこにすごく興奮したし、私はこういう世界を望んでいるんだなと思い知ることになりました。

なにか作品をつくっているような人は、この映画を見たら、迷いとかがなくなって、突っ走れるようになるかもしれない、そういう現実を吹き飛ばず力がある映画だなと思いました。


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